チームの支柱

鹿島サポのボクが浦和を嫌いなのには理由がある。

彼らにチームとしての芯を感じないからだ。鹿島がジーコ精神を受け継ぎブラジル流であるのであれば、レッズはドイツの血統だと思っていた。実際にブッフバルトがいて監督までやった。だが、今は金にものを言わせ選手を集め戦力強化を図るチームにしか見えない。

ACLの準々決勝の第2戦。

川崎が先制しさらに優位に試合を進める中、浦和は1点を返す。そして川崎の一発退場、さらに憲剛を交代。

川崎は初戦をホームで3−1で勝っている。だから少なくとも引き分け以上なら文句なく準決勝進出である。

そして先制点・・・・

これが逆の方向に働いたのか・・・・

一人少ないとはいえ、引き分けで逃げ切れれば勝ちだ。

実際に後半に入っても川崎は一人少ないとは思わせない動きを見せた。2点差以上で勝たなければならないチームと、引き分けなら確実に次に進めるチームとの違いは余裕が違った。だが、川崎はゴール前まで何度も迫ったが、簡単にそうはいかなかった。

そして川崎は負傷者を出して一時的に9人の時間帯を過ぎると完全に浦和のペースになった。

その後、川崎はラファエルシルバのゴールでリードを許すと、もう逃げ切り態勢は崩れ去った。

残り時間10分を切ってから2点を失うのだ。憲剛の呆然とした表情をカメラはとらえた。

憲剛がいれば・・・・

ボクは思った。彼がいればどうなっただろう。もちろんわからない。だが、鹿島サポのボクは思う。ジーコがいれば、いやジーコがいなくてもそのチームの精神的支柱がピッチにいることの大切さは戦力とは違った意味で重要であり、それによって勝った、あるいは負けなかった試合は鹿島にはたくさんある。

憲剛というチームの支柱を下げた川崎と、そもそもそのような支柱がいない寄せ集め軍団の浦和・・・

この試合を分けたのはこんな平日にも関わらずスタジアムを埋めるサポーターの力の差だけかもしれない。

ACL準々決勝 第2戦 (於 埼玉スタジアム2002

浦和4−1川崎F (1・2戦合計5−4で浦和が準決勝進出)